忍びの日記

絵の思考法から世事評論まで、忍者が斬る!

「思ったところに線を引ける」の次の話。

アニメの絵は、実写と記号の境目を描き出すので、普通に実写というわけでもなければ、普通に記号を描くというわけでもない。

ちゃんと紙面の空間にキャラが成立しなければならない。

これがとても難しい。

「思った位置に線を引く」ことは当然だが、次のステップとしてそれだけでは不十分である。

なにせ、「思っていない位置(今の知識や経験では測れない想定外の場所)」に引く場合もあるわけであり、ここの部分も鍛えないといけない。

つまり、「正確に思う技術」である。

これを鍛えるには、ある程度の実写模写が必要だろう。

要するに、写真模写である。

「人体ラインを覚える」という目的ではなく、今度は「空間込みで存在感覚ごと覚える」というややレベルの高い鍛錬が必要だろう。

「どういう空間かを考えながら模写(トレス)」である。

そうすると、意外な線も臨機応変に生み出せるようになる。

「こんなのアリかな」という線が使いこなせるようになり、表現幅が広がる。