短絡を賢いと言い切る人たち
すぐに成立する仕事を賢いと言い切る人たち
3ヶ月で寿司職人になった人は、10年やった人にスキルでは永久に勝てません。
高卒で成立する仕事は、大卒しか採らない仕事に永久に勝てません。
これは当たり前の話ですが、すぐに成立する仕事は、参入障壁が低いがゆえに市場ニーズの供給速度も早く、劣化も急速であるということです。
しかし、3ヶ月で海外にて寿司職人になったり、高卒でネットを使って小銭稼ぎすることを賢いと表現する頭の悪い人たちがSNSでは増えています。
また、そういうものを称揚するインフルエンサーもいます。
需給ギャップを満たせばそこに収益が生まれるというのは、ある意味市場原理として正しいですし、またそうした方法で儲けた人は実際にいるでしょうが、当然ながらあくまで一握りです。
彼らは、1万人のうちの数百人がたまたま何かの偶然でうまくいった話を、あたかも誰でも出来ると言い張ります。
当然、わざとそう主張しているのですが、こうしたネット特有の逆張り論、美味しい話に引っかかる底が抜けたバカが増えていて、警戒せねばなりません。
短絡を賢いと言い切る連中は、投資詐欺グループと同じジャンル
このように短絡的な主張をする連中に共通しているのは、自分のビジネスに顧客を誘導したいという魂胆が見え隠れしているところです。
ネットではビジネススクールと称して、確率が低かったり継続性が悪い、再現性があまり高くない方法論をパッケージにして数十万で売るというものが流行っています。
私は、こういう割の悪いビジネススクールは投資詐欺と同じジャンルと見ています。
ニュースでは、9000人から850億円を集めて問題になっている話がありますが、「かならず儲かる」という儲け話を信じ込ませ、投資を集める手法です。
集めたお金は最初こそ返すのですが、だんだん返せない状況になり、最後はかならず破産するのですが、もちろん実行犯はわざとそこまで計算してやっています。
ある程度まとまった金が集まった段階で海外に送金して、足がつかないように隠蔽するのです。
そのお金を追跡できないようにします。
これも詐欺と同種のネット特有の犯罪で、追跡できない、わからないようにネットの方面へ逃がしたり隠したりするという手法そのものは、どの方法論に関してもやり口は非常に酷似しています。
ネットのスクール商売も、利用者はしっかり疑ってみたほうが良いでしょう。
短絡的な判断を良いことだと思う底抜けのバカが増えている
こういう話でなくとも、たとえば二次創作は違法だ、規制すべきだとか、性犯罪者は死刑にしろ、皆殺しだみたいな話とかも構造としては似ています。
たとえば、二次創作をすべて規制してしまったら次世代のクリエイターはまったく育たなくなりますし、コンテンツは大きく萎縮するでしょう。
性犯罪をすべて死刑にしてしまうと、どうせ死刑になるならと重犯罪が横行したり、絶対に見つからないような方法を流行らせたりと、犯罪そのものがアングラ化します。
人の欲求を法律で制限できるという発想がどうなったかは、1920年代の禁酒法で学んだはずですが、当然ながらバカはこういう歴史を知りません。
こうした流れの中で最近出来てしまった法律が、AV新法や撮影罪、不同意性交等罪だと思っています。
また、生成AIの流れでも同様です。
そもそも生成物は著作物でない以上、創作活動とすら呼べませんし、利用された無数のデータは権利侵害の可能性がある以上、それを社会に許容するようにお気持ちを垂れ流している連中は頭の悪いとしか言いようがありません。
このように短絡の裏を疑わないような大きく底が抜けたバカが跋扈し、社会を動かす側になってしまったのだなと実感した限りです。
このままでは、日本の世論がネットで大きく傾けられてしまうことで、戦争に加担する日もそう遠くないのかも知れません。
もちろん、ウソ報道ばかり垂れ流しているオールドメディアも論外ですが、ネットのほうにもそれ以上の力学が働いているということは忘れてはなりません。