著作権法を理解できない人たち
著作権法の法目的は文化の発展と振興
著作権法の目的は、著作者がもつ権利を保護するとともに、著作物の公正な利用を確保することで、文化の発展に貢献することです(著作権法1条)。
これを平たく解釈すると、
①著作者の権利や隣接する権利を定める
②著作者の権利を保護する
③文化的所産の公正な利用に留意する
④新たな創作活動を促す
のような目的があります。
ネットでは、二次創作批判の際に①や②の話ばかりされますが、③や④も立派な著作権法の目的です。
被害認定は損害金額を算定できないと難しい
器物損壊は、物的損傷、経済損害など被害しか出ません。
このように加害者と被害者の関係が明確な場合、なおかつ損害金が出ていると明らかに認定できるものは、通常の犯罪と呼べるものでしょう。
しかし、著作権侵害が親告罪の理由として、加害被害の関係がそもそも明確ではありません。
たとえば、二次創作において、1次の著作権者が損をするということは極めて稀です。
なぜなら、二次創作はそれがきっかけで原作の販促になったり、クリエイターが増えるきっかけになったりと、経済利益が大きいからです。
それに、著作権者が二次創作を作ってほしくないとか、R18作品を作ってほしくないのなら、作品発表当初からその旨を公言すれば良いだけです。
つまり、たとえ犯罪としても、被害認定をしなければならない以上、それによる具体的な被害における金額、つまりお金の問題が大きく関係します。
こういうことを理解もせずに、ただ法律の文字面だけ追うだけで内容を読めていない大人たちはSNSにもたくさんいて、こういう人たちに騙される人が後を絶ちません。
なので、ネットに二次創作に関するデマが流れ続けてしまうのです。
著作権法違反が親告罪である理由
著作者に対する権利侵害です。
たとえば、作者Aが作品を作った際に、そこにはある思想や伝えたい意見が存在します。
その作品の二次創作をしたBがいたとして、この人は作品Aの作品のファンアートとして作ったとします。
このように、二次創作はその作品に対するリスペクトを元に描かれているものなので、これは当然違法にすることはできません。
それどころか、Bは作者Aの作品をもとに、Bなりの思想や意見を表現しています。
これが、二次的著作権というもので、たとえ二次創作であっても著作権は発生します。
二次創作(ファンアート)の著作権侵害度合いを4項目でチェックしてみると、
①著作者の権利や隣接する権利を定める
→△ファンアートの売上げが一次創作を明らかに超えない限り、関係性は保たれる
②著作者の権利を保護する
→○市場が異なるため直接的な侵害をしようがないどころか、逆に公式スピンオフも
③文化的所産の公正な利用に留意する
→○二次創作は原作へのリスペクトを元にしている
④新たな創作活動を促す
→◎二次創作は新たな創作活動と呼べ、次世代クリエイターのゆりかごである。
ということで、極めて違法性は低く、ほとんどの二次創作は合法と呼ぶにふさわしいです。
生成AIの問題は「無数の」著作権侵害
ところが、生成AIの問題は別です。
先の話はAとBという具体的な人間関係における問題でしたが、生成AIはそのデータを生成する際に、無数の作品を無断で使用しています。
その時点で、その無数の著作物で表現されていた作者の思想や意見は無視されています。
さらに、そのデータをもとに、機械は新しい生成物を出力しますが、当の機械に表現したい思想や意見はまったく存在しません。
つまり、無数の作品への著作権侵害をしているものの、そこにリスペクトはなく、かつ二次的著作権が存在しないのです。
ためしに生成AIの著作権侵害度合いを上記4項目でチェックしてみると、
①著作者の権利や隣接する権利を定める
→×フェイクアート等による二次的被害など隣接権利まで侵害
②著作者の権利を保護する
→×無数の著作物への権利侵害
③文化的所産の公正な利用に留意する
→×公正な利用ではない
④新たな創作活動を促す
→×機械出力を創作活動とは呼べない
ということで、極めて違法性が高いのですが、ここを理解できない底が抜けたバカが日々うるさい次第です。