「アスリートも会社員も同じように大変」という話には、それなりに違和感があります。
会社員は職業人口が一番多いので、就業する難易度として高くはないでしょう。
もちろん会社により難易度はありますし、特殊な技能を要求される職種もあります。
それに、トップ層は想像を絶する大変さでしょうから、一概に言えません。
しかし、根本的にアスリートのように挑戦して就く仕事と、会社員のように特別な能力や覚悟なく就ける仕事を、並列に語ることは難しいです。
仕事ですから、共通点はあるでしょうが、世界が違います。
絵を描く仕事も、いわゆる会社員…という世界ではないわけです。
では、なぜ「アスリートも会社員も同じように大変」みたいな話がもてはやされるかというと、挑戦を否定する文化だからかな、と思いました。
日本は特にリスクもないことについて、さぞ大変だと、やたら怖がらせるように言う人がとても多いです。
また、他人に「まだ君は何もしていない」と言い張る人もいます。
いずれにも共通しているのは、挑戦の価値を非常に安く見積もっているということです。
「この人には無理そうだな」と思ったら、遠慮なくその人の尊厳を踏みにじって良いと考える人が、世の中には老若男女問わず非常に多いです。
日本には「挑戦しなくなることが大人になることだ」という風潮が根強くあります。
でも、いつまでも今のままのわけがないのは、当たり前ですよね。
世の中には、踏み出さない限り、達成出来ないことがあります。
大きな挑戦をしない人口層が厚いままなのも、よく理解できるのです。