忍びの日記

絵の思考法から世事評論まで、忍者が斬る!

戦争が起きる理由

一見すると正論…による思考停止?

ネットやSNSで流行りの子どもの生育環境論争で、よく親の愛情不足の話がでてきます。

当然、親の愛情はあることに越したことはありませんが、その愛情という言葉で思考停止する哀しい人が、古今東西で後を絶ちません。

例えば、

1.親の愛情不足や環境が原因である

2.過干渉やネグレクト、イジメ問題などが加わり、他人や社会に憎しみ怒りを持つ大人に成長しやすくなる

3.他人や社会と共存して生きる方法を誰も教えなかったから、自分の意志も弱く淋しいため、悪い仲間に取り込まれたら逃げ出せない

4.人生がどんどん狂い出し、晩年は鬱や自殺など悲惨な人生になる

こういう意見があったとします。

さて、これは間違いなのに気づくでしょうか。

 

他人を異端視、理解せず差別分断する思考を持つ人が戦争を起こす

この話の一番の問題は、まさにそういう人たちを一括りにしてまとめて異端視し、相手を理解しようとせず、差別・分断する様な思考回路を持っていることを、自ら表明していることです。
非常に恐ろしいことですが、こういう人がいま急激に増えています。
みんなが幸せになる社会を目指す人が、自ら他人を差別・分断することを肯定しているわけです。
ロシア・ウクライナ戦争が起きた経緯も、結局はこれと同じ話です。
そして、いままさにそういう人たちが戦争を起こすことを支持しているわけです。
そもそもこの意見自体にも無理があります。
例えば、1だからといって、2になるわけではありません。
ほとんどの人は、そうであっても、他人や社会に大きな憎しみや怒りを持つわけではありませんし、逆に親の愛情が多くてもそうなる人もたくさんいます。
2だからといって、3になるわけでもありません。
そもそも、他人や社会と共存とは何を指すのか。
なぜ、そう「世の中には○○なルールがあって、それに合わせるべき」みたいな決め付け・当てはめみたいなのを前提に考えるのかという話です。
そもそも、この手の人は自分の考える他人だったり、自分の定義する共存に当てはめをして、そこに当てはまらない人を否定します。
「自分の意志、弱く淋しい、悪い仲間」というのも、すべて、この人の生んだ勝手な定義です。

 

ネットSNSの空気感が戦争を起こす理由

おかしな言動をしている人を理由なく叩こうという風潮、例えば「ロリコンは消すべきだ」みたいな「キモいやつは排除すべき」という話も、誰がその権限があってその「キモさ」を定義しているのかということです。
ていうか、それ定義して憚ろうとするお前が一番キモいんだよね。そこに気付けと。
かつて、戦前では新聞社が戦争を煽っていましたが、100年経った今だと、それがネットSNSになったというだけじゃないかなと思います。
これ一見すれば些細に見えますが、この積み重ねが戦争を期待する空気をどんどん強くします。