忍びの日記

絵の思考法から世事評論まで、忍者が斬る!

アニメ・漫画など業界の仕組みが分からない人たち。

クリエイター業界では、経営層と現場の意見が噛み合わないことがよくあります。

どういうことで揉めるのかですが、だいたいは利益を出す観点と、良いモノを作る観点とがぶつかります

  • 利益を出す観点で言えば、要らないクリエイターをクビにすれば良い。

  ⇒しかし、クビにすれば現場が回らなくなって、生産物ができなくなる。

  • また、良いものを作ったから売れるわけではない。

  ⇒しかし、良いものを作らないと、信用されずに次の仕事がなくなる。

こういった感じで、板ばさみ状態が続くのです。

 

漫画に関する誤解。

youtu.be

縦スクロールの漫画(ウェブトゥーン)は、実はアニメのレイアウト主導の制作法に近く、従来のネーム・コマ割りから作る白黒漫画とは食い合いが悪いです。

鳥山明大友克洋ならいざ知らず、大半の漫画家はそういった作り方はしていません。

白黒漫画は読み物で、ジャンルとしては小説やコラム記事に近いコンテンツだからです。

業界の感覚がわからない人は、どうしてもウェブトゥーンの「トゥーンが漫画」という訳のため、そういう誤解をしやすいわけです。

鬼滅の刃で100年漫画コンテンツは安泰になった、とまで言えるでしょう。

 

アニメに関する誤解。

ガイナックスの創設メンバーが、大阪芸大出身者であることは有名です。

今で言う、同人サークルから出てきた会社です。

しかし、DAICONⅣというアニメ以降、やはり修行が必要ということで、庵野秀明ジブリに住み込みに行き、宮崎駿と出会うといったことをしています。

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つまり、「天才集団がポッと出てきて、トントン拍子で行ったサクセスストーリー」というわけではないのです(そういうふうにガイナックスの歴史には書かれていますが)。

また、アニメスタジオというのは相互関連が強く、スタッフの貸し借りが頻繁です。

なので、「ガイナックス制作」と銘打っていたとしても、実際にはいろんなスタジオの腕の立つアニメーターが寄り添って作るのです。

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オネアミスの翼のスタッフを知らないみたいです。

seesaawiki.jp

原画という項目を見れば分かる通りですが、ジブリ作品やAKIRAを作ったスタッフも大勢参加しています。

大体のスタッフは、スタジオ所属の人というわけではなく、フリーの人の協力で成り立っています。

 

しかし、地方の小さな餃子屋で揉めごとを起こし、3年越しで恨み節を続けるというのは、どうなんでしょうか。

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