忍びの日記

絵の思考法から世事評論まで、忍者が斬る!

誹謗中傷問題は人類最大の難問の一つ。

誹謗中傷問題は、一見して単純そうですが実は非常に難しい問題です。

たとえば、相手に「ここからは立入禁止」というメッセージを伝えたいとします。

ただ、立入禁止とそのまま言っても聞かない。

そんなときに、人は「立ち入ったらどうなるか分かってるだろうな」みたいな言い方をしたくなります。

しかし、これは場合によって脅迫の罪に問われることがあります。

誹謗中傷問題は、これと同じ話で相手のレベルに合わせて、なにか伝えようとするほど、その言葉自体にリスクを含みやすいのです。

「腹が立っている」という表現をレベル別に整理してみます。

10 誠に遺憾

9 腹立たしい限り

8 腸が煮えくり返っている 怒り心頭

7 非常に怒っています

6 頭に来た

5 フザケやがって

4 ブチギレ

3 キッショ!!ないわー 

2 ●すぞボケ

1 すぐに歩けなくしてやるよ

と言った感じ(あくまで例です)でしょうか。

すべて同じ意味なので同じ機能のはずですが、5から怪しい感じになり、3から下は犯罪(誹謗中傷、侮辱、名誉毀損、脅迫…)などになる可能性があります。

そして、ここからが厄介ですが、例えば8以上は慣用句です。

慣用句なので、読解力や語彙力がない人には意味不明だったりして有効に伝わりません。

逆に言えば、「歩けなくしてやるよ」などは、意味は誰にでも分かるので、伝えるには一番良い表現なのです。

さらに、8以上の語句を使いこなせるのはごくごく一握りの人だけなので、語彙力がない人には必然的に切れるカードは少ないわけです。

ということで、なるべく沢山の人がギャラリーにいるようなSNS空間では、基本的に下の方の表現が合理的で望ましいということになります。

行間を読めない人って、実は意外に多くて、実名匿名問わず一定数どの界隈にも必ず存在しています。

これは物凄く難しい問題だと思います。

一見分かっているようでも分かっているフリをしている人、どの学校でも職場でも見たことがあるはずです。

言葉が伝わるかどうかと表現の問題は切っても切り離せないため、親切心から酷い言葉を使っている人も相当数います。

見た表面と実際に何が起きているかには、相当な乖離がある問題なのです。