忍びの日記

絵の思考法から世事評論まで、忍者が斬る!

「日本語が読みづらい」は失礼なのか。

「あなたの日本語が読みづらい」という論評が失礼なのかという話についてです。

「あなたの感想…」は置いておくとして、法的にどうなのかという話をします。

法的には、他者の社会的評価を低下させる論評であっても、下記の一定の要件を満たすとき、違法性または故意・過失が否定され、名誉毀損は成立しません。

事実を示すときは、

(1)公共の利害に関する事実であること

(2)公益を図る目的があること

(3)前提となる事実が真実であるとの証明があること(または真実と信ずるについて相当の理由があること)

(4)人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでないこと

が要件とされています(最判平成9年9月9日)。

つまり、公共性、公益性、真実相当性、あと脅迫ではないこと

この4点が満たされている場合であれば、どのような内容であれ、まったく違法性はありません(違法性阻却事由)。

したがって、以上の理由から「あなたの日本語は読みづらい」は、ほんとうに読みづらい証明が示される場合において、まったく正当な論評です。

当然、「話が分かりづらい」なども同様です。

というのも、公共性、公益性、真実相当性とは、分かりやすく言えば、「当然そうあるべき」「そう期待されて然るべき」ということだからです。

むしろ、この手の指摘に腹を立てて「あなたとは住んでる言葉の世界が違う」などと相手に言いがかりをつけてしまうと、その事実そのものが職務怠慢や職務放棄などの証明になってしまい、消費者保護法などの観点から訴訟リスクが出てしまいます

ということで、後ろだてのないような個人経営や自営業などの人を含めて、くれぐれも言動に気をつけましょう

私は、脅しで言っているわけではなく、事実を指摘しているにすぎませんし、細かい話をしているわけでもないです(これを細かいと思うなら、社会について無知です)。

そして、当然ながら、私はこの程度でいちいち相手を訴えたりはしません

しかし、仮にもし相手をガチで潰そうと思う悪質な人が相手だった場合、言質ひとつひとつを証拠として残して、一件ずつ別に訴えることで相手を訴訟して風評を落とすのを狙いつつ、時間や金をふんだくったりする…かも知れません。

 

もちろん、相手が失礼と感じる言動は控えるに越したことはないでしょう。

とはいえ、言わなくてはならないこと、言うべきことが、真っ当な内容であるなら、たとえ相手が失礼と感じたとしても、そこはきちんと筋を通して言うべきです。

これは、相手がどんな人でも同じことです。

くれぐれも、自分にウソをつくのだけはやめましょう