話が下手なことと教えるのが下手というのは、実は重なる部分が多いです。
自分に当てはまるものがないかどうか確認してみましょう。
基礎レベル 「これは基本。」
1. 相手の気持ちを理解しない
教わる人のレベルはさまざまです。
「どうしてできないんだろう…」と悩んでいる人もたくさんいます。
教え方が下手な人は、そんな相手に対して「簡単だろう」と言ってしまいがちです。
自分が初心者だった頃のことを思い出してみるなど、相手の気持ちを考える手段を持ちましょう。
2. 高圧的な態度
教える立場になると、必要以上に高圧的になる人がいます。
教える側の実力不足が原因なのですが、教わる立場の人はやはり委縮します。
逆に教えるのが上手い人ほど、そういった馴染みづらい雰囲気はありません。
自分の態度や話し方に注意しましょう。
3. 自分の常識が基準
教え下手な人は、自分の知識レベルと相手の知識レベルが違うことを意識しません。
また、常識や感覚は人によって異なるため、自分を基準にしてしまうと、相手にうまく伝わらなくなります。
また、相手のレベルに合わせて教えることも大事です。
教え上手な人は、相手の知識レベルに合わせて教えられるよう、伝え方のバリエーションをたくさん持っています。
中級レベル 「ここからが出来ない人、かなり多い。」
4. 一方的に授業を進める
人に何かを教える時は、相手の理解度に合わせることは重要です。
中には、理解の遅いタイプの人もいます。
また、インターネットにありがちですが、一方的に話を進めてしまうのも、教えるのが下手な人の特徴です。
話の切れ目がなかなか見つからないのが、教え下手な人の特徴です。
5. 話がとっ散らかる
これも下手な人にありがちな失敗です。
「あれもこれも教えた方が親切」と考え、気ついたことを、順序を考えず思いつきでダラダラと話してしまいます。
おしゃべりな人に、割と多いパターンです。
しかし、整理できていない話を聞かされ続けた相手は、確実に混乱します。
理解が追い付かず「何を話してたの?」となります。
教える時には、あらかじめ話の構成や尺(時間や話をする割合)をしっかり組み立てておきましょう。
6. 話が感覚的・抽象的
頭の回転がそこそこ良いタイプにありがちな間違いです。
「ちょっと減らす」「すごく多い」など、感覚的・抽象的な表現を多用しがちな人がいます。
しかし、こういった話は人によってイメージが異なるため、うまく伝わりません。
一方で、上手な人は、具体例やたとえ話が的確、実演などを含める…など、短時間ですぐに理解できるように、効率的な伝え方をします。
中級から上級レベル 「さらに上を目指そう。」
7. 先にまとめや方針の提示をしない
人に何かを教える時に、先にまとめを提示することは非常に大切です。
なぜなら、いきなり作業や手順を教えたとして、相手がその意味や重要性を理解できないからです。
上手な人ほど、まず今回の話のまとめや方針を伝えてしまいます。
話の共通認識を持つことで、一つひとつの作業や手順の理解が深まりやすくなります。
「今回のこの話題について、方針やまとめのもとに話がされている」という共通意識が理解を深めるポイントです。
逆にいえば、話題に関連が薄い話はすべきでないです。
教える仕事は勝負の世界です。
「一回の授業でさえも、相手が理解してもらえなかったら負け」
これは私達の業界では、当たり前もいいほどの常識でした。
「次は二度とない」
なぜなら、分かりづらい人の話をわざわざ時間を割いて聞きに来る人は、この世で一人もいないからです。
私は授業後に「あ、あのフレーズを言ったのは間違いだった!」と後悔したことが数知れません。
そうやって、どんな授業でも自分で課題を見つけて次回は必ず修正するということを繰り返しました。
だからこそ、1授業で10時間以上の準備をするなんて当たり前にやっていたわけです。
ということで、まずはこのくらい確実に出来て、ようやくスタートラインくらいでしょう。
「教える仕事が本当に好きなら、若い頃から言い訳をしないで仕事にしているはずです…」ということは私は言わないですが、気をつけないといけない点はいつの参入でも変わりません。
「教える仕事なんて誰にでも出来る一般の仕事だろ笑」とタカを括ってきたら、仕事で痛い目にあった人を、私は数多く知っています。
むしろ、教えることは「相手による」仕事ですから、「自分でコントロールが出来ないことが非常に多い」分、この世で「もっとも厳しい職業」と言えます。
教えることでなにか不安や困っている人がいたら、参考にしてみてください。