時代錯誤の擁護発言
先日、1次創作がオリジナルで「0から1を生み出すのは…」と漫画協会が発言していたのにびっくりしました。
この発言で、余計SNSが混乱しました。とても古い感覚です(76歳なので当然ですが)。60歳を超えた人はとくに、当時はアニメは「テレビまんが」と呼ばれていて、アニメその他映像作品は「格が低い」ものとして扱われていました。言い方悪いですが、いい歳こいたおっさんおばさんが「女は子どもを産む機械」とか発言をしているのと、同レベルの内容に思えます。
この発言に批判がないのがびっくりなのですが、きょうび漫画だけが1次創作で偉くて、他は2次創作だとかは、今の時代では全くありえません。
そもそも日本は「匿名文化帝国」
日本は「詠み人知らず」の国歌をみんなで歌ったり、また万葉集にも「詠み人知らず」を載せる「匿名文化大国」です。
本来、◯次創作とかケチくさいことにこだわるのは、日本文化的ではないのです。
歴史を知らない日本人と言われてしまっても、おかしくないのかもしれません。
匿名を嫌うのは西洋の考えであって、日本の本来の考え方ではないのですよね。
世界では…「アニメ>漫画」です
そんなことを言い出すくらいなら、原作者から著作権を取り上げるアメリカ式の「アップティック契約」を一般化すべきです。
世界では、アニメ>漫画です。
引用「…どうやって売るか、誰に売るかということについては、もっと国際的な目線で、かつ、ファンがもっと参加できるかたちをつくっていかなければいけないと思います。次に、IPはしっかりという意味で言うと、権利は持ちますが、先ほど言ったようにファンがいろいろ使ったり楽しんだりしてくる部分には規制をせずに緩くして、ファンの熱をもっと、先ほどの『ポケモン』のように、あおるような、油に火を注ぐように。」
日本人の「オリジナル信仰」が産む悪しき習慣
というのも、原作で通す1次創作であっても、昔のように「情報が少ない環境にいて妄想でどうこうする」時代ではなく、今はネットやSNSがありますから、大量の情報や、資料、作品などを参考に模倣しているものがほとんどです。
逆に、2次創作であってもキャラだけを借りているだけで、内容はほぼ1次創作というものも大量にあります。
つまり、これは俗に言う「オリジナル信仰」「1次創作原理主義(1次創作こそがもっとも偉い)」みたいな話なのですが、ここの線引をすることに、現代社会でもはや意味があるのかということです。
もちろん、法的には「翻案」「二次的著作物」という形で記述されていますが、「2次創作」は造語であり、法律分にそのような記述は一切ありません。
【コラム】生成AIに対する私の見解
生成AIの件は「無断使用による権利濫用」という観点から反対をしていますが、私は1次創作の原理主義者ではありません。
著作者と契約を結んでしっかり著作者に権利料を払う(JASRACのような方式)のであれば、生成AIは別に良いと思います。
要するに、著作者や関係者への許諾の上で、著作者の絵が生成AIの元データに利用されるごとに、生成AI利用者や生成AIアプリ元会社から、著作者や権利関係者にきちんとお金が支払われる仕組みです。
ここは勘違いしないでください。
たとえば、pixivなど画像投稿サイトに画像投稿された際、その画像データの裏に紐付けで「料金コード」が自動的に付着するようなシステムをサイト運営側で仕込んでおき、その画像を生成AIアプリに誰かが食わせたときに、自動的に料金請求が発生するような仕掛け、とかは技術的に出来るはずです。(頭が良いから思いついちゃった)
アイドルとブレイキングダウンの共通点は「歌舞伎」
パパ活女子とアイドルを延長線のようなものと捉える人もいるみたいですが、西洋文化にかぶれすぎていて、日本文化を知らなさすぎです。
日本には、古来から歌舞伎があります。
歌舞伎というのは、「反骨精神」の象徴です。
アイドル稼業もブレイキングダウン演者も本質は同じで、世間に対する「傾き(かぶき)」を面白がるという特徴を備えています。
「一風変わったことをみんなで面白がる」という文化は、それこそ古代から続く日本古来の文化です。
ブレイキングダウンの不良は格闘家と延長線に乗っていると考えるのは海外的発想で、日本ではそうではありません。
この辺はもう少し柔軟に考えられないと、今後生きていくのには厳しい(知恵遅れ、老害扱いになってしまう)と思います。