なぜアメリカと戦ったのか理解できていないアホたち
古代から近世までは、日本は中国に睨まれ続けました。
「蛇に睨まれた蛙」です。
古代では、中国の手先にあたる朝鮮の一国にすら、戦で負けて惨めに敗退して逃げました。
中世では武家社会になりましたが、相変わらず強大な中国には逆らえず、朝貢貿易などにも積極的に参加して媚を売りました。
当然、その家来である朝鮮にも気を使っていました。
中世の終わりに、豊臣秀吉が朝鮮に出兵しましたが、古代のリベンジとは行かず、その夢はかないませんでした。
ところが、江戸時代では幕藩体制で政治が安定し、内戦がなかったせいで国力が備わり、近世の終わり頃に入ると、ある一藩がイギリスを追い返すまで強くなりました。
この状態で、日本にアメリカという大きな黒船がやってきました。
このままだと中国とアメリカという2大大国にすり潰されてしまうということで、アメリカや西洋の仲間入りをして、中国を叩き潰すという方針に切り替えました。
見事に中国を叩きのめした日本は、アメリカやイギリスの支援を受けて、莫大な借金をしたもののロシアに判定で勝ちました。
こうして西洋の仲間入りを果たした日本ですが、やがて西洋が分裂して世界戦争を起こしたので、悩んだ末に日本はアメリカの味方をせず、ロシアの敵であるドイツの味方をしました。
なので、仕方なくアメリカとは戦争することになりました。
これが大まかな歴史です。
こうしてシナリオを辿れば、日本の見てきた夢はなにかが見えてくると思いますが、歴史で日本が苦しんだ大部分は明らかに中国のせいです。
シナリオの断片を切り取る危険
ネットSNSでは切り取りブームがあります。
なんでもその人の言動を切り取っては、「こんなことを言ってやがった」と叩きまわります。
もちろん、その切り取った内容は紛れもない事実でしょうが、一方で文脈を理解していないと誤解するリスクが常にあります。
当然、「切り取ることそのものが悪である」という主張は単にバカですが、一方で文脈や背景をちゃんと把握したうえで、その切り取りを見れるのかという(メタな)認識ができているかは非常に重要です。
こういう、重層的な解釈をトレーニングするのが歴史という科目であり、単なる暗記ゲームだみたいに思っている人は、ちゃんと歴史を学んだことのないおバカでしょう。