経験上、絵の上達の際には理解度が3段階あります。
1線を追う
2形が分かる
3記憶に定着する
順番に見ていきます。
1線を追う
線を追うだけで精一杯の状態です。気にせず引き続けましょう。同じ絵で何度も線をトレスで練習します。
2形がわかる
トレスしているうちに、写している絵の形が徐々にわかってきます。この段階では、まだ構造までは理解できていません。しかし、もっと同じ絵をトレスし続けます。構造を理解するために、全体のラインや一部分を大まかに描き抜いて見ても良いでしょう。
3記憶に定着する
理解が進めば、その絵の意味を習得したも同然です。理解していない部分がないか最後にチェックして、とりあえずは終わりです。しかし、また時期をずらしてトレスすると、新しい発見があるかも知れません。良い絵は何度も写してみるのも良いでしょう。
トレスは模写でも良いですが、個人的にはトレスが一番効率が良い気がします。
理由は、模写すると間違った形を描いて終わってしまいやすい、その割には時間がかかる。
達成感が少なく「なんだかなぁ…」で終えてしまいやすいです。
それならば、その間にトレスを数枚やって枚数稼ぐ方がマシに思います。
とにかく、絵は理解⇒習得のサイクルです。
ここで気をつけたいのは、あくまでも絵は考えるのではなく覚えるものだということです。
自転車の運転を、いちいち頭で考えてしないのと同じなのです。
それから、習得数がある程度に増えると、実は相乗効果で別の絵の理解も深まります。
というのは、一見異なる絵でも、だいたいどれでも描くときの処理法が共通しています。
処理法は、逐一学ぶしかありませんが、せいぜい30パターン程度でしょう。
経験上、実は絵はどれでもだいたい似たような描き方です。
ただし、ここまで気付くまではかなり枚数を頑張らないといけません。
ただ、この辺はさっさと理解してしまったほうが、後々描くのが楽になります。
理解するためにも、たくさん描きましょう。