説明がいつまでも下手なままの人が、世の中にはたくさんいます。
日本のバラエティ文化の影響なのでしょうが、単なるお喋りと説明を勘違いしている人が、実に多いです。
まず、上手く説明することとは、流暢に語ることではありません。
というのも、説明上手な人は、自分の説明となる内容の文章を文字で書き起こしした経験があります。
文章で書いてみないと、実は「自分が何をどのように話して説明しているのか」を客観的に理解できないからです。
話が分かりづらい、話が長い人が多いのはそのためです。
仮にあなたが説明上手になりたかったら、今度説明したい内容をすべて喋り言葉のまま、紙に文字起こしし、それを印刷してみてください。
保証してもいいですが、ある時期にきちんとこの過程を通らないと、一生説明が下手なままです。
これをやったら、次に自分の書き起こしした文章を話題内容ごとに整理します。
不要な内容をすべて消去してください。
少しでも分かりづらいなと思ったら、その時点で消去か書き換えします。
そして、その内容にふさわしい文章の順番になっているか、表現になっているかという風にチェックをかけるのです。
もう一度言いますが、自分のセリフを一言一句漏らさずに、すべてきちんと書き起こししてください。
この訓練をきちんとやった人だけが、説明上手になっていきます。
逆に言えば、単なる素人お喋りの延長で気分良くなっている人は、いつまで経っても、なかなか人に相手にされないのです。
たとえば、ただのお喋りの人の特徴として、自分が話している最中によくとんちんかんな(現在の話題内容とまったく関係のない)返しがよく返ってきます。
つまり、相手に自分の話がまったく伝わっていないということです。
相手の理解力のせいにしたがる人も多いのですが、残念ながら十中八九、話者の能力不足が原因です。
逆に言えば、伝わっている場合は、話の内容がちゃんと伝わった上での返しが返ってきます。
ということで、何ごとも同じですが、トレーニングしないと鍛えられない能力なので、勘違いしないように気をつけてください。
プロと言われるような人でも、これが出来ていない人が非常にたくさんいます。