人対人の仕事では、人とのコミュニケーションそのものに価値や安心や満足を作る仕事、人がコミュニケーションをとらなければ解決が難しい仕事があります。
前者はカウンセラーや接客、営業、教師、医師、看護などであり、後者は調整や説得、交渉、謝罪などです。
これら人間の感情を扱う仕事には、高度な国語力が大事になります。
特に、人の感情を読み取るのに、高度な国語力が必要です。
つまり、そこにこそ仕事の需要があるということでもあります。
たとえば、「今年がタイムリミットですが、背水の陣で挑みます」という人が、教える仕事についている人に仕事の依頼をしたとします。
さて、あなたはこういう人がいたときにどうするでしょうか。
考えてみてください。
多くの人は、「へえそうなんだ」で終わります。
中には、こういう話を論って「背水の陣で挑むのは素晴らしい」など、他の多くの人に説教する人も出てくるでしょう。
しかし、これでは仕事にならないのです。
教える仕事に関する私のようなプロならば、「タイムリミットがあり、それでも背水の陣で挑む人がいると聞いた。私のサービスを受けている人には、そういう人が少なからずいるはずだ。ということは、私にいったい何が出来るだろうか。」と、わずか一言だけでも聞き逃さず、日本語の意味を考え、そこから需要を読み取り積極的に次の手を練るわけです。
これこそが、「機を見るに敏=臨機応変」の本当の意味です。
ボーッと聞き流したり、説教してポジションを取るだけの人は、役に立たないのでどんどん嫌われていきます。
特にポジション取りをする人がどんどん嫌われて窮地に追いやられるのも、この日本語能力の低さが由来しています。
こんな基本的なことでさえ、意外に多くの人が気付かなかったりします。