絵が上達するためには、絵を本気で描かないことが大事です。
「え?本気で描かないと上手にならないじゃん」と思うのはわかりますが、本気で描こうとすればするほど力みになります。
力みは厄介で、自己満足にどんどん走ってしまいます。
絵を描くには、考える段階(設計や計画)と線を作る段階(実作業)二つの工程があり、描く瞬間の集中力のコントロールの能力が大事になります。
たとえば、プロ格闘家はずっと集中して闘っているわけではありません。
では、なぜ彼らが強いのかというと、瞬間の力のコントロールが上手いからです。
ドラゴンボールでフリーザ編悟空が界王拳を使っていないように見えていて、実際には攻撃の瞬間にだけ、界王拳で力を何倍にもしていました。
これは、実は非常に現実的な理論なのです。
スポーツが上達しない人に多いのですが、スポーツでずっと全力だったり、ずっと力を使わないといけないと思いこんでいる人が非常に多いです。
しかし、これではいつまで経っても自分自身を冷静に客観視出来ません。
強い人ほど驚くほど冷静で客観的です。
自分自身をもう一人の自分が上から見ているくらいの冷静さがないと、作業に必死になるあまり、自分自身の生み出す熱意に溺れてしまいます。
絵描きは熱心な人が多いので、冷静さを常に意識しないと、なかなか上手にならないと思います。