「そこにあるように描く」という言葉を、絵描き界隈ではよく聞きます。
ありふれた表現なのですが、この考えだと上達するのは難しいです。
まずはじめに、この言葉はいろいろな意味を含みすぎています。
つまり、概ね、
1描きたいテーマのものを
2世にある絵の表現パターンを利用して
3技術的に表現しろ
という意味なのですが、
そうであるなら、そのままこう言えばいいだけの話です。
つまり、「そこにあるように描く」では考え方として不足しています。
ここに気付けるかどうかが分水嶺になりますが、この考えのままだと「では、著者であるあなたが、その題材にいま取り組む理由」が分かりません。
テーマに取り組むときに「自分が描く」わけですから、上述1の前の「どう表現したいのか」「どうあってほしいのか」という意図がかならず先に来ないといけません。
「あるように」ならば、別にスマホカメラで充分です。
そうではなく、絵を描く人は、あくまで絵の題材を「どう描きたいか」はつねに意識する必要があります。
つまり、闇雲に描くのではなく、そのテーマについて考えてみるのです。
感覚としては「紙から浮いて出てくる」まで取り組む(個人的な感覚を、言葉を使って自分自身で考えてみましょう)必要があります。
そのための技術であり、練習であり、足りないものがあれば補充していくという考えになります。
「あるように描く」では、なかなかこの考えまでは出てきづらいのです。
間違った説教が世間にあふれています。
くだらない話で、うっかり時間を浪費しないようにくれぐれも注意してください。