「故人の悪口を言うのは良いか悪いか」というディベートごっこの番組を、たまたま見かけました。
論破術みたいな話として、論破のやり方を書いてみます。
某ラッパーさんと同じように、私もプロで15年やってきたクチですので、口喧嘩には滅法強いのです。
少なくとも、口が上手い程度のおしゃべりな素人程度に、負けることはありません。
さて、このディベートごっこの場合ですが、「立場=カード」が最初に配られます。
口論や口喧嘩の場合、必ず立場が決まっていますが、最初の立場によってある程度の有利不利は決まってしまいます。
この場合だと、「悪口を言うのは悪い」ほうが常識に近い価値観のため有利です。
ここで、「悪口は悪い」を赤いカード、「悪口は良い」は青いカードと定義してみます。
さて、「悪口は良い」という立場で、多くの人を説得するのはかなり難しいです。
しかしながら、少なくとも五分と五分までは引っ張ることはできるでしょう。
★この時のテクニックとして、「一番極端な状況」を前提とし、最初の想定を話してしまいましょう。
たとえば、「連続猟奇殺人犯が死んだ(やむなく殺された)場合」という感じにすると、連続殺人犯なので、当然ながら「悪口を言われないのは良くない」わけです。
こうすると、なかなか相手は反論できません。
「少なくともこの場合においては、あなたは違うじゃないか」というふうに、地盤を作ることが出来ます。
ここから、「ではこの場合は」、「次にこの場合は」…というふうに、相手の足場をどんどん削っていけば良いのです。
ただし、極論を想定したことを相手に悟られるとうまく行かない(「なぜ、あなたは極論を想定するのですか」と言われると負け)ですので、極論の想定には注意が必要です。
ということで、
こういったゲームの場合はまず最初に、
赤いカード=一般常識に近い価値観
青いカード=論理的に判断すると、そうともいえる価値観
という具合に、最初の自分のカードがどちらなのかをあらかじめ確認しておきましょう。
この方法で、少なくとも負ける相手は存在しません。
当然ですが、赤いカードの方が有利ですが、勝ちが難しいと思われる青いカードの価値観だったとしても、少なくとも引き分けに持っていくことはできます。
たとえば、「殺人は良くない」という話でも、同様のアプローチで、引き分けまでは持っていけます。
「凶悪殺人犯を死刑にしないのはおかしい」からスタートすれば、戦争の場合などを想定したときに、「少なくとも殺人を否定しきれない」という話の展開はできます(社会通念上、決して「善なる価値観」ではないものの、「現実的な必要悪」という観点で、話を通すことはできます)。
ただし、最初の布陣を間違えると、なかなか挽回は難しいので、そこだけは注意しましょう。
アプローチさえ間違えなければ、誰でも論破することは可能なのです。
ただ…、論破することが良いことかというと、そこは分かりませんので、そこは自己責任です。
某論破王さんみたいに、罰金やら何やらを論破して踏み倒す…などはしないよう、くれぐれも注意しましょう。