忍びの日記

絵の思考法から世事評論まで、忍者が斬る!

言葉の暴力が怖い理由。

ネットやSNSで、有名人や立場のある人でもお構いなしに、不特定多数の人をレッテル張りして傷つけることが少なからず見られる様になりました。

現象が複雑なので、原因や犯人が特定しづらくなったのも特徴です。

仕組みを整理しましょう。

 

1 大きなメディアや有名人が、不特定多数にレッテル貼りをして価値観を操作

→価値観を操作するのは経済効果を狙ってでしょうが、一方で傷つく人や被害者も多数出ます。

 

2 1を真に受けた人が、炎上して私刑(リンチ)をしたりイジメをはじめる

→いわゆる炎上のことですが、真に受ける人が悪いとも言い切れないのは、1が実際に聴くに耐えない悪質な発言や発信内容であることも多いからです。

また、炎上を期待して、わざと悪質な言動を取り続ける人も少なからずいるのは事実です。

 

3 2で被害を受けた人の中に、1を恨む人が出てくる

→1がなければ被害を受けずに済んだはずなので、真っ当な怒りと言えます。

 

4 3の中から、本当に暴力行為に及ぶなどの実行犯が出てくる場合がある

→今までは3の段階で終わっていたものの、最近の時事を見ていると、冗談では済まなくなっている風潮です。

 

ということで、「4が悪い」という意見になりがちなのですが(実行犯なので当然ですが)、元の原因を使っているのは1だし、2で追撃を散々されている結果でもあるので、一概に悪いというより、むしろ全体の仕組みを作り出した1や、私刑で際限なく滅多打ちにした2も悪いという話になります。

 

ナチス時代にアーレントの言った「悪の凡庸」みたいな話が、魔女狩り裁判の名の下に粛々と行われ続けてしまっているわけです。

 

まずは、1の発信側の責任をしっかり問う(特に大手メディアや有名人)べきなのでしょう。

 

火元から取り締まらないと、おかしなことが繰り返され続けるだけです。