忍びの日記

絵の思考法から世事評論まで、忍者が斬る!

バイトテロする若者と、安い従業員を求める経営者。

バイトテロする若者にはメリットがある

「バイトテロは目立つし、動画にとって拡散すればバズる。仲間を楽しませて一躍人気者だし、自分が逸脱した行動を取れることを仲間に証明することで、自分の立ち位置を上げることが出来る。」

つまり、若者にはメリットがあるからこそ、バイトテロをするわけです。

どうせ安い仕事だから、クビになっても痛くも痒くもないし、それなら一発テロ起こして動画晒してバズる方が、SNS上での評価として利益があるからやるわけです。

つまり、これは「安くて使い勝手の良い従業員を求める経営者」とまったく同じ思想なのですが、経営者は感情的でバカな人も数多いため、自分と似ている人や同じ人を集めていることに気付いていません。

経営者は、「自分は安くて使い勝手の良い従業員がいるという「ムシの良い話」を信じて夢を見ておきながらも、雇った相手には「自分の言うことを聞いてくれる都合の良い他人」を求めているわけです。

しかし、そんな都合の良いやつが世の中に存在するわけがありません。(一次大戦期なら、いざ知らず)

倫理観がないのは、バイトテロ君より、むしろ圧倒的に経営者のほうなのです。

 

「低偏差値高校でも東大に受かるべき」「司法試験に受かる人を増やすべき」は間違い

低偏差値校でも東大に入れるように推薦を導入すべき」とか、「底辺校出身者でも司法試験に受かる人を増やすべき」とか、そうした論調そのものが、むしろ学歴社会を肯定し加速させているということに気付けないのが、悪い意味で「日本人だな」と思います。

低偏差値校出身者が運良く推薦で高偏差値大学に受かったとして、授業にもまったくついて行けないわけですし、底辺校出身者が専門的に高度な判断を要求される仕事の資格試験に合格したら、どこかでボロが出るのが分かっているわけです。(当然、個人のケースはさておきます)

要するに、本人も損をするし、将来的には社会全体でも損をするわけです。

しかし、なおもそうした風潮を世間に流行らせては、見えない形での被害者を増やしているという自覚が、日本人全体に希薄なことは問題です。

 

「見えないデメリットは美しいから享受すべき」と謳う現代日本

「自分も知らずのうちにデメリットを被っていたとしても、見えないんだから良いよね。美しくて良い話なんだから、みんな納得しようよ。そして、みんなで損しよう。」

根底に流れるこうした思想は、現代日本人に共通しています。

「教育が大事」と言いつつ、インフラ費を削ってしまったせいで大問題になっている元市長の話にも、同じ思想を感じます。

要するに、いまの日本人は「どこかにうまい話があるべき」と思いこんでいるし、「それがないなら、それは社会が間違っているから作るべき」と思ってしまっているのです。

そんなことをしてしまうから、制度が健全な運用をされなくなり、どんどん劣化と形骸化をしていくわけですね。