絵はたくさん描くと上手くなるのか。
絵はたくさん描くと上手くなるという人もいれば、いくら描いても上手くならないとも言われます。
実際には、これは両方正解です。
というのも、たくさん描いて上手くなるやり方もあるし、たくさん描いても上手くならないやり方もあるというだけの話です。
たくさん描いて上手くなるためには、ただ単純な課題やドリルを闇雲にこなせば良いというわけではありません。
ずっと正拳突きの練習を手本も見ずに毎日回数だけひたすらこなしていても、実戦では何の役にも立たない何かになるだけです。
これは絵を描いているときによくありがちな罠です。
絵を上手くなるには、良いやり方を知って学ぶことと、その良さに自分で気付くことの二つが必要になります。
良いやり方を知って学ぶことについては、座学的な知識が必要になります。
これは一般の勉強とまったく変わりません。
知識はあればあるほど有利になります。
次に、良さに気付くことですが、これはそのやり方がそのまま良いと気付くことではありません。
実際に描いてみて、絵の特徴や描き手の思考などに気付く能力を身に付けていきます。
これは身体を動かして学ぶ稽古や修行、トレーニングという感じに近いかも知れません。
この二つが上手く合わさっていないと、いくら頑張っても成果を得ることは難しいです。
「根性論でひたすら描いてこい」とか、「片手間でアドバイスだけでもありがたいと思え」「これだけ言ってるのにできるようにならない人はダメ」みたいな愚昧な指導が流行りやすいので、よく注意しましょう。
そして、いちばん大切なのは「一日一枚でも良いので、自分が思う良い絵を描く」ということです。
まったく練習が続かない、辛いという人は、まずは枚数ではなく、「ベスト」を作る習慣からはじめてみましょう。
ある程度それを常に意識していないと、やっぱりあまり上手くなりません。
練習でも同じで、「より良い絵になるためにはどうしたら良いか」などを、ぼんやりでも考えながらやると良いと思います。